つくる会の体質を正す会
■注目の種子島経氏の特別寄稿はこちらです。(5月26日掲載)
■騒動の「構図」についての記事はこちらです。(5月10日掲載)
■騒動の「あらすじ」はこちらです。(6月6日掲載)
■「西尾幹二氏の言説の変遷」はこちらです。(6月20日掲載)
■「藤岡氏の八木氏に対する言説の変遷」は、
  (15)(6月14日掲載)、(16)(6月15日掲載)、
  (17)(6月17日掲載)、(18)(6月19日掲載)です。
■「藤岡氏の事務局員に対する文書攻撃」はこちらです。(14)(6月11日掲載)
■西尾氏に対する訂正要求はこちらです。[資料編(1)]
  (5月12日3段目掲載の記事)
■藤岡氏への再質問はこちらです。[顛末記(5)](6月4日掲載)
■鈴木氏の人物については、こちら(5月24日掲載)とこちら(7月5日掲載)です。
■渡辺記者の反論については、こちらです。(5月25日掲載)
■西尾・藤岡両氏の「謀略」の可能性の立証については、こちらです。(7月3日掲載)
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雑感・つくる会の逝きし日々(1)ー伊藤隆先生去る…の意味がわからない人々ー      
松浦光修

  
「つくる会」の活動を盛んにやっていたころの話である。ある親しい(著書も複数ある)教養人から、「こういう社会活動をやっていると、大学の世界では、ずいぶんと高く評価されるんでしょうね?」と言われたことがある。まずはビックリした。次に「ああ、これほどの教養人でも、大学の世界というものの実態が、まったくおわかりではないのだ…」と悟り、私は暗然たる思いにとらわれた。

 評価されるどころか、こんな活動をやっていると、今の大学の世界では白眼視され、誹謗中傷されてしまう。それが、あたりまえなのである。三重県においては職を奪われた大学教授さえいる(拙著『いいかげんにしろ日教組』参照)。専門書も博士号も持っていない“あやしい大学教授”はともかくとして、それらを持ちつつ、それでもなお、このような活動をやるというのは、学界では、よほどの“バカ”か “お人よし”でないとできないことなのである。

 ましてや今の我が国の日本史関係の学界は、そういう一般的な学界からさえ、さらに隔絶した「サヨクの楽園」である。いくら私が“バカ”だとはいっても、私も日本史の学者のはしくれではあるから、さすがに心細い思いをする時がないでもなかったが、つい最近まで「つくる会」には、日本史プロパーの大先輩として、尊敬する伊藤隆先生がいらっしゃった。世間の方々は、あまり御存知ではないようであるが、日本史の“プロ”から見て、伊藤隆先生の名前があるのとないのとでは、その歴史教科書の“重み”は、格段に違ってくるのである。いくらサヨクが『新しい歴史教科書』を「素人がつくった歴史教科書」と、非難しようとしても、先生の名前があるだけでその種の非難は封じることができる…、「伊藤隆」という名前は、“プロ”の世界ではそれほどの威力をもっていた。

 しかし去る二月、その伊藤先生も、藤岡信勝氏に対する激烈な批判の言葉を残して「つくる会」を去られた。伊藤先生を失ったことほど、「つくる会」の、ひいては『新しい歴史教科書』の学問的信用を落とした出来事もあるまい。それにもかかわらず、どうやら会の関係者は、今もその点に関しての深刻な認識を欠いているようである。「いかにも素人くさいこと…」と私は呆れている。(平成18年5月14日記す)
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もう一つの「つくる会」顛末記・資料編(3)ー「コンピューター問題」関連資料および間抜けな私の返事ー
【解説】
 今回ご紹介するのは「つくる会」内紛の直接のきっかけとなった「コンピューター問題」関連の資料です。この「コンピューター問題」は、次のような意味で決定的に重要なものでした。
①.内田・勝岡・新田・松浦の四理事が、創業者の横暴や驕りに気づき、「つくる会」理事会に潜む謀略体質をはじめて体験して、西尾氏や藤岡氏と対立していくことになるきっかけになったこと。
②.当初は、理事会内の宥和を重んずるという考えから西尾氏や藤岡氏の意向を尊重しようとしていた八木氏が、途中から「コンピューター問題」の虚偽性・謀略性に気づくことによって、西尾・藤岡両氏から離れて、会長としてのリーダーシップを発揮しようと考えるようになるきっかけになったこと。
③.「会員管理システム問題に関する調査報告」を起草した遠藤浩一氏が、自分が起草したこの文書の正当性にこだわる余り、結果的に西尾・藤岡両氏に同調するようになってしまったために、八木氏が会長と副会長(藤岡、遠藤、福田、工藤)で構成する執行部会(実質的には西尾氏を含む)の中で孤立するようになってしまったこと。
④.宮崎氏に対する処分案を各理事に通告する前に、執行部は労働法の専門家だということだったので、弁護士の高池勝彦理事に妥当か否かを一つ一つ確認し、「妥当である」との回答を得ていたといいます。良識ある中間派だと思われていた高池理事が、西尾・藤岡両氏に同調し、宮崎氏に対して厳しい姿勢をとり続け、最後には八木会長解任に賛成するところまで行ってしまった背景には、この時の専門家としての判断のミスを認めたくなかったことがあるのではないかと言われています。

●(資料1)「コンピューター問題」関連資料の「送り状」
 この資料のポイントの一つは「1000万円もの損失を当会に与えた」と書いている部分です。つまり、「コンピューター問題」の被害額を「1000万円」と断定しているわけです。この巨額の被害があってはじめて、(資料3)の宮崎事務局長に対する厳しい処分が正当化されるわけです。
 ところが、内田理事に「本当にそんなに巨大な被害があったのか。そもそも、被害そのものが認定できるのか」と追及されると、執行部は「調査報告は、会に与えた損害額を1000万円と認定したわけではない。『1000万円もの高額投資が僅か3年で事実上崩壊してしまった事態』を問題にしたものである」(平成18年1月12日付け「会員管理システム問題にかかわる宮崎弁明書への反論」)とわけの分からないことを言い始めたのです。
 八木氏から聞いたところによると、この「送り状」は八木氏が自ら書いたものだそうです。調査に直接関わっていなかったこともあって、他の執行部メンバーから聞かされたことを鵜呑みにして、宮崎氏が1000万円の損失を会に与えたと思い、このように書いてしまったとのことでした。

 この資料のもう一つのポイントは、12月1日に通常の理事会が予定されていたにもかかわらず、事務局長に対する懲戒処分という重大な問題を、文書発送からわずか四日後の臨時理事会(しかも平日の夕方。当然、多忙な理事や遠隔地の理事は出席できない状況)で、さらにたったの1時間の会議時間(資料4参照)で決定してしまおうとしていた点です。その意図は、執行部以外の理事がわずかしか出席できない中で、さっさっと宮崎氏の処分を決めて仕舞おうということだったのでしょう。

●(資料2)「会員管理システム問題に関する調査報告」
 この資料のポイントは、次の二点です。
①「はじめに」における「第三者業者による現行システムの調査・点検を行ったところ、『データ保存に重大な問題がある』(11月9日)との指摘があり、またコ社からも『撤退後は代替業者を紹介するが、新システムを構築するのが最善』(同8日)との見解が示されている。いずれにせよ現行システムは早晩廃棄し新システムを構築することが迫られている。/会員管理業務は本会のような運動組織にとって生命線とも言える。そうであるからこそ総額1000万円以上の高額な投資がなされたわけだが、それが僅か3年で終焉を迎えつつある事態は、異常かつ深刻と言わざるを得ない」との主張。

②「総括」における「⑤依然として、実務上の責任者たる宮崎事務局長は、会員の浄財で運営される本会において1000万円の高額投資を無駄にしたという事態の本質を理解せず、その深刻性について執行部と認識を共有していないのは遺憾である」「結果として、1000万円もの高額投資が僅か3年で事実上崩壊してしまった事態はきわめて重大であり、会に対し損害を与えたことについての責任問題を等閑に付すわけにはいかない。まず、当時の理事会(執行部)の監督責任は当然問われるべきである。また、当時から今日まで一貫して執行に当たっている宮崎事務局長の責任を不問に付すことは不当である。」との主張。

 つまり、「1000万円も投資したのに、いつデータが消えるか分からない欠陥ソフトをつかませられた。その第一の責任者は宮崎事務局長である。したがって、宮崎氏は処罰されなければならない」というのです。「コンピューター問題」の核心はここ、データ保存に重大な問題を抱えた欠陥ソフトだったのかどうかの一点にあったわけで、契約の仕方やお金の払方などは、その欠陥があってはじめて問題となる枝葉の問題にすぎません。
 事実、今年1月16日の理事会で、私が「コンピューターが現に動いているのなら大きな問題ではないですよね」と発言したところ、西尾名誉会長は「それは無責任な言い方だ。消えちゃいますよ。ソフトが全部」と言って私を非難されました。

 したがって、この「調査」において、最も慎重に時間をかけて行わなければならなかったのは、まさに、第三者によるソフトの検討だったわけですが、報告書には「④11月9日  現行会員管理システムに対する第三者業者による調査・点検(コアサイエンス社――藤岡副会長、丸山事務局員他)」とあるだけです。つまり、たった1日、しかも1社だけ(宮崎氏が相見積もり取らなかったことを批判しているのに)、しかも立ち会ったのは、この問題を騒ぎ立てた「藤岡氏と丸山事務局員他」だけという杜撰さでした。
 その結果、あれほど、「消える! 壊れる! 1000万円の損害だ!」と大騒ぎされたにも関わらず「資料編1」で述べているように、「今年の三月二十八日の理事会において、種子島会長から、この現行システムに問題はなく、制作者であるコンピュートロニクス社とのメンテナンス契約が切れた後も、藤岡氏が連れてこられた専門家に、月二万円の保守管理料を支払えば十分使用可能であることが報告され、出席者を唖然とさせました」という結末になってしまったわけです。

 5月2日にお電話をいただいた西尾先生に、このことを説明申し上げたところ、先生に「それじゃ、あの問題は何だったの?」と聞かれてしまい、「それはこちらが聞きたいですよ」と言いたい気持ちを抑えて、私は「要するに、どんなソフトにでもバグは起こるわけですが、コンピューター会社の対応に不安を感じたオペレーターの丸山さんが過剰に心配しただけのことでしょう」と答えました(ちなみに、丸山さんが退職した後は、何故か、ソフトは何の問題もなく快調に稼働しているとのことです)。そうしたところ、西尾先生は「この件の火付け役はたしかに藤岡だった」とおっしゃいました。
 つけ加えますと、三月二十八日の理事会の後で、八木さんが、ぽつりと「富樫信子監事は、コンピュートロニクス社を『豊田商事』にたとえたけれど、本当は調査報告の方が『姉歯建築』だったみたいですね」と言ったのが私には印象的でした。

 この「調査報告」では、システムを設計したコンピュートロニクス社自身が「新システムを構築するのが最善」と述べて、欠陥を認めているかのような記述になっていますが、実は、コ社は、このシステムの品質には絶対の自信をもっており、直ぐに壊れることなど有り得ないとする膨大な説明資料を宮崎事務局長に渡していたのです。宮崎氏はそれを2月の理事会で披露するつもりでいたらしいのですが、突然、宮崎解任動議が出され、退席を命じるという形で発言を封じられてしまったために、結局、理事の誰一人として真実を知らないまま今日に至っているのです。

●(資料3)「会員管理システム問題に関する執行部告知」
 (資料2)の「調査報告」に基づいての処分案。
 これについて、八木氏は次のように語っています。「この『問題』が持ち出されるまでは、宮崎氏を事務局に残こそうと考えていたが、もう宮崎氏は守れない、こんな損失を与えて会長として会員に申し訳ないとの思いで、厳しい処分をすることを決断した。ただし、宮崎氏だけ処分するわけにはいかないと思い、執行部も金銭的負担をすることを提案した。労働法の専門家と言われていた高池氏に処分案を見てもらったところ、問題ないということだったので、理事会に提案することになった。後に、こんな重い処分は一般には通用しないと指摘されて、自分の迂闊さに気付いた」

 ちなみに、「現執行部5名及び名誉会長が100万円を会に納付する」とあるのを見て、私はてっきり一人が100万円ずつ負担して1000万円の穴を埋めようとしているのだと思い、「さすが執行部の理事は覚悟が違う。そこまで責任を負うつもりなら、宮崎さんに対する厳しい処置も仕方がないか」と思いました。ところ、後から聞いて見たら、「全員足して100万円だ」ということだったので、少し拍子抜けしたのを覚えています。ちなみに、私と同じ様なはやとちりをした理事は他にもいました。

●(資料4)「緊急臨時理事会開催のご案内」

●(資料5)平成17年11月16日付の私の八木会長宛のファックス
 昨年12月16日に届いた「コンピューター問題」関連資料を読んで、西尾・藤岡両氏と執行部に素朴な信頼を寄せる「純粋真っ直ぐおじさん」だった当時の私が、幻の「コンピューター問題」を信じて書いた間抜けな八木会長宛の返事です。しかし、今となってみると、こんな間抜けなファックスを出していたお陰で、自分たちがはじめから宮崎氏擁護派だったわけでも、徒党を組んでいたわけでもないことを立証できるのですから、人生とは皮肉なものです。


●(資料1)
                 平成17年11月14日
理事及び関係各位
                新しい歴史教科書をつくる会
                     会長 八木 秀次 印

「会員管理システム問題に関する調査報告」及び「執行部告知」並びに「緊急臨時理事会開催のご案内」の送付について

 前略 平素は当会の発展のためにご尽力を賜り誠にありがとうございます。
さて、現在、不具合が露見しております当会事務局の会員管理システムについて、10月28日開催の理事会で執行部内に設置が承認されましたコンピューター問題調査委員会では関係者からの聞き取り調査の結果、別添のような調査報告書をまとめました。
 詳細は調査報告書をご覧頂きたいと存じますが、当委員会では「結果として、1000万円もの高額投資が僅か3年で事実上崩壊してしまった事態はきわめて重大であり、責任問題を等閑に付すわけにはいかない。まず、当時の理事会(執行部)の監督責任は当然問われるべきである。また、当時から今日まで一貫して局長の責任を不問に付すことは不当である」との結論に至り、これを受けて11月12日の執行部会で別紙の通りの処分を決定致しました。
 調査報告書にありますように、今回の問題には、悪意や不正は存在しません。し かしながら、当会の予算規模や会員からの会費収入で成り立っている当会の性格を考えますと、結果とはいえ、1000万円もの損失を当会に与えた関係者の責任は問わざるを得ないとの結論に至りました。
 理事及び関係各位には関係書類をご精読の上、ご理解賜りますようお願い申し上げます。なお理事各位にはこの件について緊急臨時理事会(11月18日(金)午後5時)を開催致しますのでご出席賜りますよう併せてご案内申し上げます(詳細は別紙をご参照下さい)。           草々
送付資料
・会員管理システム問題に関する調査報告
・会員管理システム問題に関する執行部告知
・緊急臨時理事会開催のご案内


●(資料2)
                  平成17年11月12日

会員管理システム問題にかかわる調査報告

                新しい歴史教科書をつくる会
                     事務局再建委員会

1 はじめに

 現在使用中の、本会会員管理システムは、平成14(2002)年10月に導入されたものだが、不具合が生じても、システム開発業者であるコンピュートロニクス株式会社(以下「コ社」)によるメンテナンス業務が十分に行われないという問題が生じている。

 本年10月4日に生じた不具合について、つくる会側より同社に連絡するも「担当者は現在緊急の業務があり、対応できない。今年中の対応は無理」と保守業務を拒否され(同7日)、また「平成18年3月を以て保守業務から撤退したい」旨同社より通告があり(同5日)、事実上現行システムによる会員管理は継続が困難な状況に立ち至っている。現在の不具合に関するメンテナンスについては後日「12月には対応できる」旨の返答はあったものの、軽重を問わずシステムに障害が発生した際に即座に対応しないのは、本会とコ社との間で取り交わした「会員管理システム保守契約」違反である。

 しかるに、コ社側は「つくる会から毎月受領している11万円はシステム構築料の分割払い分であり、保守契約は名目にすぎない」との解釈をとり、契約を根拠とした保守業務に難色を示している。本会としては、あくまでも契約通りのメンテナンスを要求しているが、コ社側の認識との相違は埋められていない。

 コ社側がメンテナンスに難色を示し、さらには来春の業務撤退を通告してきている以上、現行システムは今後正常な稼働が期待できないということになる。第三者業者による現行システムの調査・点検を行ったところ、「データ保存に重大な問題がある」(11月9日)との指摘があり、またコ社からも「撤退後は代替業者を紹介するが、新システムを構築するのが最善」(同8日)との見解が示されている。いずれにせよ現行システムは早晩廃棄し新システムを構築することが迫られている。

 会員管理業務は本会のような運動組織にとって生命線とも言える。そうであるからこそ総額1000万円以上の高額な投資がなされたわけだが、それが僅か3年で終焉を迎えつつある事態は、異常かつ深刻と言わざるを得ない。保守契約書が存在するにもかかわらずコ社側が「保守契約は名目にすぎない」との奇妙な解釈をとるのはなぜか。また、本システム導入時以来導入実務の責任者である宮崎事務局長が今日なお事態の重大性を認識していないのも理解に苦しむ。次期採択戦に向け事務局機能を強化する上で、事態の経緯を明らかにし、適切な措置を講ずることは不可欠である。

 以上の観点から、本会は、10月28日の理事会において、①当面事務局を理事会直轄とすること、②事務局再建委員会(八木会長、藤岡・遠藤副会長の3名に相談役として西尾名誉会長が参加、調査の内容に応じて高池理事、富樫監事にも出席を要請)を設置して会員管理システム問題を始めとする種々の問題の調査と対策をはかること等を決定、同31日、事務局に示達した。

 同委員会はただちに調査・ヒアリングを開始した。主な内容は以下の通りである。
 ①11月2日  会員管理システムに関する事情聴取(丸山・田村事務局員、宮崎事務局長――藤岡・遠藤副会長、高池理事、富樫監事、西尾名誉会長)
②11月4日  事務局機能全般に関する意見聴取(的場・福原・土井・高橋・丸山・平岡事務局員――八木会長、藤岡・遠藤副会長、西尾名誉会長)
 ③11月8日  コンピュートロニクス株式会社への事情聴取と契約問題についての協議(平岡真一郎氏――藤岡・遠藤副会長、高池理事、富樫監事)
 ④11月9日  現行会員管理システムに対する第三者業者による調査・点検(コアサイエンス社――藤岡副会長、丸山事務局員他)
 ⑤11月9日  宮崎事務局長への事情聴取及び今後の対応に関する協議(宮崎事務局長――八木会長、藤岡・遠藤副会長、西尾名誉会長)
 ⑥11月12日  種子島理事への事情聴取(種子島理事――藤岡副会長)


2 経緯

 会員管理システム問題に関する主な経緯は、以下の通りである。

H9(1997)
・会発足当初より、K氏(F社社員)がサイド・ビジネスとして会員管理ソフトを作成、保守管理を担当。つくる会は、技術料として月額28万円支払(特別の場合は増額。例:平成12年4月は38万円)。

H12(2000).6以降
・財務担当の種子島理事よりK氏との契約内容が不明瞭で報酬が高額過ぎるとの指摘があり、以後月額5万円・年末手当30万円(年間90万円、特別な場合は別途技術料支払)との契約を結んだ。
・K氏のオリジナルソフトにはマニュアルがなく、毎年更新しなければ使用不可能な仕組みになっており、氏に事故があった場合やオペレーターの急な退職等に対応できない不備があり、それが改善される見込みはなかった。

H13(2001).9
・K氏より宮崎事務局長に対して、①現行ソフトは耐用年数がきれかかっており、大幅な補修が必要、②K氏自身は時間的に無理なので同氏友人に新ソフト開発を依頼する、③約300万円準備してほしい旨通告あり。宮崎事務局長は同月23日開催の総会提出予算案に350万円の予算を計上。
・富樫監事は予算書を見てシステム変更が計画中であることを知る。

H13(2001).10
・宮崎事務局長は、つくる会会員でコ社役員のH氏(略)に相談、機密保持の契約書を取り交わした上で会員管理システムの調査をコンピュートロニクス株式会社に依頼。K澤氏に対しては、この機会に同システムの健全化・安全化をはかりたい旨を伝え、変更の場合は協力してほしいと要請。同氏からは「自分が納得できる条件の場合は協力する」と返答。

H13(2001).10.25
・会員管理を担当していたO・A事務局員は、①現在のシステム(ファイルメーカーを使用)を踏まえた上で、今以上に使いやすくレベルアップしたものにしてほしい(操作を覚えるのに時間のかかるものは担当人員、仕事量的に不可)、②ソフト作成後、現ソフトと当分の間並行して試用し、システム、データ入力・出力上問題がないか確認する、③定期的な保守、追加ファイルの作成等、ソフト作成後も継続的にサポートにあたる、の三項目からなる要望書を提出。これが、つくる会側からコ社に対して文書で示された、仕様に関する唯一の要望。ただし同要望の適否についてつくる会全体としてのオーソライズはなされていない。

H13(2001).11
・H氏より調査結果とコ社がシステム開発と保守を担当する場合の見積が提示された。①アクセスもしくはSQLを使用して現行システムとは全く別の新たなシステムを構築(O・A事務局員による要望①は反映されず)、②1200万円の予算を割引きして13万円~15万円の5年契約、総額750750~900万円との内容。宮崎事務局長は、①K氏との契約を継続した場合(750万円)とほぼ同額であり、②K氏個人と契約するより、法人たるコ社と契約した方が安定性を確保できる、③コ社はオペレーター交代に対応できるマニュアル完備、④コ社は契約終了後の著作権を無条件でつくる会に譲渡する等の理由から、この際コ社への移行が妥当と判断。
・同事務局長はその旨を種子島理事に報告、同理事から口頭で承認を得、K氏にも伝えて同氏から了承を得る。
・同事務局長はコンピューターに詳しい友人(A氏)に相談、コ社の提案及び見積の妥当性について意見を求めると「会社との契約であれば安いし、妥当」との回答を得る。
・富樫監事は、コ社への発注を知り、執行部会の承認を得るべきと宮崎事務局長に進言。

H13(2001)11.21
・「事務所パソコンのソフト保守契約の業者委託に関して」の事項で、コ社への移管を執行部会(田中、種子島、藤岡、高橋、宮崎)に報告、了承。ただし、システムの内容等に関する検討は行われていない。

H13(2001)11末
・システム移行に関する作業に着手。
・移行作業は平成14年2月末から3月にかけて行い、試験期間を経て4月より正式移行との方針をコ社・H氏との間で確認。
・移行に伴い会員管理業務の万全を期すため、完全移行までK氏との契約を継続。
・この頃からO・A事務局員は要望①が反映されないのではないかとの危惧を抱く。

H14(2002).2
・コ社・H氏はKソフトを継承しての作成は困難と判断、宮崎事務局長に対して独自システムの構築を提案。同事務局長は従来の機能を維持することを前提に了承(ファイルメーカーを使用しないことで妥協)。その時点では3月末納品、4月試験期間、5月完全移行の予定。
・この頃種子島副会長は宮崎事務局長に対し、①旧システムをベースにせず、全く新しいシステムを構築する、②ユーザー(つくる会)側の要望を一本化し同事務局長が折衝の窓口となることを事務局長に指示(宮崎事務局長は「記憶にない」)。

H14(2002).3.25
・第一次納品(デモンストレーション)。O・A事務局員は要望①(ファイルメーカー使用)が反映されておらず、不満を表明。協議の結果、ファイルメーカーを使用した折衷案でいくことになった。このときコ社側から「ファイルメーカーは使ったことがないから分からない」との発言あり。
・後日海外出張から帰国した種子島副会長は折衷案になったことを知り驚くが、作業が進行していたので黙認。「ここで妥協したのは自分の責任」(種子島氏)。

H14(2002).5.29
・平成14年度決算報告時に富樫監事より田中会長にシステム移行の件について承知しているか確認、会長は「知らない」と返答。

H14(2002).6~7
・コ社側の「判断」とO・A両オペレーターの「要望」との間に生じたパーセプション・ギャップを調整しないまま、場当たり的に機能の追加や変更を重ねた結果、システム構築に時間がかかり、見積額も膨れあがった。当初予定の作業量が大幅に増加したため、H氏より宮崎事務局長に対して契約条件の見直しについて口頭で要請あり。宮崎事務局長は確答せず、早期の完全移行を求める。

H14(2002).9末
・K氏との契約を解消。

H14(2002).10
・新システムによる単独業務に移行するも、修正・追加事項があったため、正式契約は保留し、暫定措置として「ソフト管理費」として月額17万円をコ社に支払。

H14(2002).12
・修正・追加作業が終了し、コ社・平岡氏より「月額17万円、7年契約」との条件が提示される。しかし当初の見積額より大幅に増額されていたため、宮崎事務局長は返答を保留。
・システムが構築されたにもかかわらず、この時点で契約書、仕様書、検収書等基本文書は存在せず。
・富樫監事より宮崎局長に対して契約内容について質問したところ、同事務局長は「1000万円以上」と口頭で返答。同監事は①早急に正式契約を締結すること、②予算オーバーなので執行部会の了承を得ることを助言。

H15(2003).1
・宮崎事務局長よりコ社・H氏に見積額及びその根拠書類の提示を求め、「総額1728万円、月額17万円(保守料)」の仮契約書を提示される。ただし契約を4年で打ち切ることによる600万円程度の実質値引きで合意。

H15(2003).1.14~24
・富樫監事は友人の専門家(B氏)とともに新システム導入に関して調査を実施し、①契約書等書類の不備、②発注内容の不明確、③旧ソフトより高度な内容にしてほしいとの要望に対応していない、④納入期限の不明確と検収書の不備、⑤つくる会の性格上長期債務の設定には問題あり、⑥内部の承認手続きに問題あり等について指摘する(正式報告書は1月27日付)。

H15(2003).1.22~
・田中会長、種子島・藤岡両副会長、宮崎事務局長、柚原事務局次長で執行部会を開催、契約期間を3年半とし、金額はB氏の調査報告を参考に検討、種子島副会長・宮崎事務局長に一任することとした。後日「月額11万円、約1000万円」と決定。
・つくる会側はこの額には保守料も含まれると認識し、コ社との間で保守契約を締結。ただし、コ社側としては、契約額を著しく下げると厖大な赤字が発生するため、上記の額はあくまでもシステム構築料であり保守料は含まれずと理解、「そのことは宮崎事務局長との間で、口頭で了解済み」と主張。宮崎事務局長は「口頭了解の事実はない」と否定。コ社側は保守メンテナンスに際して費用が発生した場合は、つくる会側に請求できると判断。ここから「保守契約」をめぐる玉虫色の解釈が生じる。つくる会の田村事務局員はコ社内におけるH氏の立場を考慮し、コ社側の判断(保守料含まれず)に理解を示す。他方コ社のH氏はつくる会会員でもあり、自分が担当である限りは保守・メンテナンスに誠実に対応しようと決意。

H15(2003).1末
・富樫監事の問い合わせに対して、宮崎事務局長は「このまま契約することになった」と口頭で報告。

H15(2003)2.10
・富樫監事は「曖昧かつ不当な取引」を継続することに危惧をおぼえ、①本来本契約は全面的に破棄すべきものだが、それができない場合は第三者の外部コンサルタント立ち会いの下に契約内容を詰める、②理事会議事録を作成し、理事・監事から質問があった場合は文書で回答する等の提言を理事会に対して出す。

H15(2003).3.18
・上記提言に対する田中会長、宮崎事務局長連名の回答提示。

H15(2003).3.20
・つくる会、新システム取得代価として525万円をコ社に支払。

H15(2003)4.16
・富樫監事は決算作業中に、コ社への525万円支払の事実を把握するが、つくる会の注文書のみで請求書の不在に気付く。宮崎事務局長に問い合わせたところ、同事務局長の口頭の指示により田村事務局員が振り込んだとの報告。

H15(2003).5.27
・富樫監事、種子島理事に「平成14年決算概況書」報告、書類等の不備を指摘、監査報告ができない旨伝える。

H15(2003).6.17
・書類の日付に整合性を得るため、田村事務局員は富樫監事の助言を得る。

H16(2003).11
・この頃までは、H氏の配慮もあり、コ社によるメンテナンスは比較的順調に行われていた。しかしH氏が取締役を降り(つくる会関係の業務でコ社側に損失が生じたことが原因)、「つくる会担当」を離れると、コ社の対応は冷淡になる。不具合について担当オペレーターの丸山事務局員が問い合わせても、「仕事が忙しくて対応できない」「担当者が不在」と応答されるだけで、保守業務が急激に疎かになる。

H17(2005).2
・丸山事務局員は、コ社側とのやりとりの記録を開始。

H17(2005).4.7~
・不具合について丸山事務局員が数回にわたって問い合わせの電話をかけるも「席を外している」「外出している」と言われるだけで折り返しの連絡なし。

H17(2005).4.15
・丸山事務局員は、コ社の対応について宮崎事務局長に報告。同事務局長の指示により、以後田村事務局員が間に入り、折衝にあたることとなる。

H17(2005).10.4
・不具合が生じたため田村事務局員よりコ社に連絡。丸山事務局員が状況を説明。

H17(2005).10.5
・コ社・H氏が本会来訪、田村事務局員と面談。不具合の応急処置について説明するとともに、来年三月をもって保守業務から撤退したいとのコ社側の意向を通告。田村氏は応急処置について丸山事務局員に伝達することを失念。

H17(2005).10.7
・返答がないと思った丸山事務局員はコ社に再度連絡。担当者不在のため折り返しの電話を待つと、H氏より「返答は田村氏に既にしてある」と連絡。また「担当者は現在緊急の業務があり、対応できない。今年中は無理」とも言われる。

H17(2005).10.12~
・会員管理システムの継続に危惧を感じた丸山事務局員は八木会長に相談。八木会長の「どうなっているのか」との問い合わせに対して宮崎事務局長は「対応は考えている。大した問題ではない」旨の発言あり。この頃、丸山事務局員は退職を決意。

H17(2005).10.21
・丸山事務局員より藤岡副会長に退職の挨拶。不審に思った同副会長が問いただすと、同事務局員は重い口を開いて会員管理システム崩壊に対する危惧を報告。事態を重視した藤岡副会長は執行部及び西尾副会長に問題提起。

H17(2005).10.28
・執行部会で同問題への対応について協議。
・理事会で対応を報告、了承を得る。

H17(2005).11.2~
・同問題に関する調査を開始。

3 総括

 一連の経緯から明らかになった問題点は、以下の5点である。

 ①本会の性格や財政規模を勘案した上でどういうシステムが必要であるのか、どういうプログラムの仕様を業者に求めているのかについて十分な検討がなされないまま安易な発注を行ってしまった。当時の本会オペレーターによる「要望」そのものについての評価・検討も含め、つくる会側の求める仕様を吟味せずに発注し、場当たり的に機能の追加や変更を繰り返した結果、コストが高騰し、保守契約に関する玉虫色の解釈が生じる一因となった(ただし保守契約書がある以上、コ社の主張が不当であることは言うまでもない)。

 ②新システムへの移行に際して、最初から業者をコ社一社に絞り込み、高額発注に不可欠の複数業者による「相見積」等当然の措置をとらなかったため、同社との契約に関する不透明感をいたずらに増大させた。また、コ社の提案や見積額が妥当かどうかの発注時点での検証が困難になった。

 ③現行システムに移行させた主たる動機は「旧システムは個人との契約で担当者の事故等緊急の事態に対応できないが、新システムはコ社という企業との契約であり安定性が確保できる」(宮崎事務局長報告)というものであった。しかるに、新システムも、実態は平岡氏個人との関係に過度に依存したもので、平成16年11月同氏が担当を離れると同時に「安定性」は危機を迎えた。この時点で事態の重要性を察知し、対策を講じるべきであったにもかかわらず、問題を放置した。

 ④発注、支払や設計の変更など既成事実の積み上げが先行し、理事会(執行部)への報告や契約書・仕様書等基本文書作成などが事後的に取り扱われたため、理事会(執行部)全体として問題を認識するのが遅れ、早期に適切な対策を講じることが困難となった。

 ⑤依然として、実務上の責任者たる宮崎事務局長は、会員の浄財で運営される本会において1000万円の高額投資を無駄にしたという事態の本質を理解せず、その深刻性について執行部と認識を共有していないのは遺憾である。

 今回の問題には、悪意や不正は存在しないと思われる。しかし、判断ミスの積み重ねや適切な処置の不履行、問題に対する感受性の鈍さが、本来早期に解決できる筈の問題をいたずらに拡大し、複雑にしてしまった。
 結果として、1000万円もの高額投資が僅か3年で事実上崩壊してしまった事態はきわめて重大であり、会に対し損害を与えたことについての責任問題を等閑に付すわけにはいかない。まず、当時の理事会(執行部)の監督責任は当然問われるべきである。また、当時から今日まで一貫して執行に当たっている宮崎事務局長の責任を不問に付すことは不当である。                                     以上


●(資料3)
                   平成17年11月12日

      会員管理システム問題に関する執行部会告知

                   新しい歴史教科書をつくる会
                       会長 八木 秀次 印

一、 ・現執行部が、この件についての監督責任及び道義的責任を負う。
   ・当時の執行部・理事会以来の歴代執行部・理事会を代表して、現執行部5名及び名誉会長が100万円を会に納付する。

二、 ・宮崎正治事務局長は、この問題の当初から今日に至る直接の執行担当者としての責任を負う。
   ・事務局長の任を解き、事務局次長に降格する。
   ・事務局次長としての給与の10%を本年12月より3ヶ月にわたり減額する。
   ・当分の間、出勤停止とする。

三、 ・上記の処分は、次の理事会で報告し、承認を得る。

四、 ・上記の処分の内容を理事会での承認の後、直ちに欠席の理事及び全国の支部長に通知する。                  以上


●(資料4)
                     平成17年11月14日
理事各位
        緊急臨時理事会開催のご案内
                   新しい歴史教科書をつくる会
                         会長 八木 秀次

 拝啓 平素は「つくる会」の発展のためにご尽力を賜り、誠にありがとうございます。
 さて、現在、不具合が露見しております本会事務局のコンピューターによる会員管理システムについて、前回の理事会で執行部内に設置することが承認されました事務局再建委員会及びコンピューター問題調査委員会は、不具合の原因に関して別添のような調査報告書(「会員管理システム問題に関する調査報告」)をまとめ、これに基づき執行部では別紙の通りの処分(「会員管理システム問題に関する執行部会告知」)を決定致しました。
 つきましてはこの件について、理事会の承認を得る必要がありますので、期日が近づいてのご案内で恐縮でありますが、下記の通り、緊急の臨時理事会を招集することと致します。執行部ではこの問題は当会にとりまして重要問題であるとの認識でおります。ご多用とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご出席に賜りますようお願い申し上げます。なお、ご欠席の場合は委任状のご提出を賜れば幸いでございます。            敬具

          記
日時 平成17年11月18日(金)午後5時~6時(約1時間)
場所 新しい歴史教科書をつくる会事務局
(以下略)


●(資料5)
                       平成17年11月16日
八木秀次会長様
新 田  均

 11月18日の緊急臨時理事会には申し訳有りませんが授業のため出席できません。管理システムのことについては、突然の事で驚いておりますが、お忙しい中、詳しい調査をされた方々のご苦労に敬意を表します。ただ、責任の取り方については、宮崎氏と現執行部が責任を負うということだけでよいのでしょうか。私には現執行部よりも当時の旧執行部の方が責任が重いように思われます。
 なお、執行部ではありませんし、システム導入の話が既に進んでいる中での理事就任ではありましたが、今の執行部が道義的責任を取られるというのであれば、私も理事の一人として10万円を会に納付したいと思います。

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